2.コンクリート改質剤CS-21(水和反応活性剤)について
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 2-3 CS-21の施工について

   Q1.脱型後すぐに施工できますか?

   Q2.脱型後、表面にレイタンスがある状態でも施工できますか?

   Q3.素地調整に高圧洗浄できない場合でも使用可能ですか?

   Q4.躯体の形状によって施工箇所が限定されますか?

   Q5.躯体が濡れていても施工できますか?

   Q6.躯体が乾燥していても施工できますか?

   Q7.塗布しただけで、ひび割れが閉塞しますか?

   Q8.ひび割れの幅がどんなに大きくても、CS-21だけを充填するのですか?

   Q9.ひび割れは幅何ミリまでが施工対象として有効ですか?

   Q10.CS-21で、ジャンカ部の補修ができますか?

   Q11.CS-21をコンクリートの表面に塗布した後に、変色など景観に変化はありますか?

   Q12.CS-21を断面修復時の下地処理剤として使用した場合、躯体と補修材の付着力が向上しますか?

   Q13.CS-21施工後に、塗装などができますか?

   Q14.CS-21は、水道施設に使用できますか?

   Q15.CS-21を、タイルの上から塗布することで下地コンクリートを防水できますか?

   Q16.CS-21を塗布した箇所は、経年後に補修・補強を行う場合、材料や工法が限定されますか?

   Q17.海の近くで満潮時には海水に浸かる部分に施工できますか?



Q1.脱型後すぐに施工できますか?
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A1.可能です。
   脱型後早い時期の施工は効果的です。



Q2.脱型後、表面にレイタンスがある状態でも施工できますか?
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A2.CS-21塗布の場合、コンクリート表層部に浸透し反応により効果を発揮する材料であるため
   塗布面にレイタンス等の汚れがある場合には浸透しにくくなります。
   素地調整(高圧洗浄など)を行ってからの施工となります。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21塗布工法のページに、適用条件、工程概要などを記載しております。



Q3.素地調整に高圧洗浄できない場合でも使用可能ですか?
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A3.施工箇所の環境条件により高圧洗浄が行えない場合には、
   ワイヤーブラシでケレンしハケで水湿しを行ってから施工する等の施工例もあります。
   (橋梁壁高欄の打継ぎ部等)

   CS-21塗布の場合、コンクリート表層部に浸透し反応により効果を発揮する材料であるため
   躯体を湿潤状態にし表面の汚れを除去する高圧洗浄を素地調整として推奨しています。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21塗布工法のページに、適用条件、工程概要などを記載しております。



Q4.躯体の形状によって施工箇所が限定されますか?
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A4.CS-21塗布の場合、施工対象物が動きの拘束された構造体であれば躯体の形状には左右されません。

   施工事例(美術館屋上防水・配水池PCタンク頂版防水)に、
   ドーム状屋根の防水施工事例を掲載していますので御覧下さい。



Q5.躯体が濡れていても施工できますか?
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A5.CS-21塗布の場合、表面を指で触って湿り気を感じる程度まで乾燥させることで適用可能です。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21塗布工法のページに、適用条件、工程概要などを記載しております。



Q6.躯体が乾燥していても施工できますか?
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A6.塗布の場合、CS-21を浸透しやすくするため、表面は乾燥していても内部は湿潤状態である必要があります。
   躯体が乾燥している場合には、散水を行い水分の補給を行ってからの施工となります。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21塗布工法のページに、適用条件、工程概要などを記載しております。



Q7.塗布しただけで、ひび割れが閉塞しますか?
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A7.CS-21をコンクリートの表面に塗布すると、浸透したCS-21がひび割れ内面および深部表層を緻密化させ、
   水や各種劣化因子の侵入を防ぎます。

   微細な空隙であれば自閉効果により閉塞しますが、ひび割れ開口部までは閉塞しないため、
   美観上の必要があればCSパテやセメント系材料を詰めて補修します。

   日本コンクリート工学協会発刊「コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針-2009-」(p134)には、

   含浸系材料の塗布工法によるひび割れ補修について、以下のように記載されています。
    「ひび割れ幅が0.2mm程度以下の場合にはひび割れ深部でのコンクリートの緻密化による閉塞が
     期待できるため、表面上はひび割れが閉塞していなくても防水効果が期待できる。
     しかしながら、それよりも大きなひび割れ幅の場合やひび割れ幅が変動するような場合には
     効果を期待することは難しい。」

   CS-21塗布によるひび割れ補修は、注入工法の必要がないと判断された幅0.2ミリ程度以下の
   挙動の少ないひび割れが対象となります。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21ひび割れ補修・漏水補修工法のページに、工法選定フローチャートなどを記載しております。



Q8.ひび割れの幅がどんなに大きくても、CS-21だけを充填するのですか?
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A8.ひび割れの大きさに応じて、セメント系材料等と組み合わせて補修します。

   幅0.2ミリ以上のひび割れ注入工法の場合、CS-21注入後に微粒子セメントスラリーを注入します。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21ひび割れ補修・止水工法のページに、注入工法の手順、施工概要図などを記載しております。



Q9.ひび割れは幅何ミリまでが施工対象として有効ですか?
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A9.セメント系材料と組み合わせることによって何ミリでも対応できますが、構造物が拘束されている必要があります。

   参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

   CS-21ひび割れ補修。漏水補修工法のページに、工法選定フローチャートなどを記載しております。



Q10.CS-21で、ジャンカ部の補修ができますか?
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A10.施工箇所の条件により、ジャンカ部をハツリ工後に断面修復を行う場合
    注入工法で対応する場合がありますので、御相談下さい。



Q11.CS-21をコンクリートの表面に塗布した後に、変色など景観に変化はありますか?
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A11.CS-21は無色透明の水溶性含浸材のため、施工後に景観の変化はありません。

    但し、施工直後はわずかに濡れ色になりますが、時間経過と共に目立たなくなります。

    ※構造物の環境条件によっては、表面がまだらに白くなる場合があります。
      これは材料固化や二酸化炭素との反応による炭酸カルシウム生成により白い結晶物が生成されるためです。
      表層部を緻密化する効果が表面に現れた現象であり、コンクリートに悪影響を及ぼすものではなく、
      時間経過と共に薄く目立たなくなります。



Q12.CS-21を断面修復時の下地処理剤として使用した場合、躯体と補修材の付着力が向上しますか?
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A12.CS-21は塗布浸透した部分のコンクリート表層部を緻密化させる材料です。
    断面修復の際に下地処理剤として使用した場合、既設コンクリート補修箇所のぜい弱部を緻密化し
    補修モルタルの接着力を有効に発揮させます。

    断面補修時の下地処理および修復材の表面保護には、CS-21シリーズ製品「CS-21クリアー」が適しています。

    参照:CS-21シリーズ製品およびCS-21工法概要(pdfファイルダウンロードページ)

    CS-21断面修復工法のページに、手順、施工概要図などを記載しております。



Q13.CS-21施工後に、塗装などができますか?
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A13.CS-21の施工面は、打ち放しを原則とし塗装などを上塗りすることは推奨しておりません。
    ただし、養生期間(2週間以上)経過後であれば、表層部の緻密な通常のコンクリート面と同様として、
    各工法(建築の美装や駐車場のライン、床版防水層やはく落防止ネットの接着など)が適用可能です。

    適用にあたっては、以下の点に注意してください。
    ・使用する塗料や接着剤の手順に従って、サンドブラストなどの目粗し後に施工を行ってください。
    ・使用する塗料や接着剤の規定する表面含水率以下であることを確認後に、施工を行ってください。
    ※塗装など他工法を適用する場合は、事前にCS-21工法の施工を担当するアストン協会員にご相談ください。



Q14.CS-21は、水道施設に使用できますか?
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A14.使用可能です。
    水道施設の水道水が直接触れるコンクリート部分に適用可能な材料であり、配水池内面に塗布などの
    施工実績があります。

    施工事例、施工物件を記載していますので御覧ください。

    ※水道施設に適用する表面含浸材の安全性を確認するための浸出試験には、
    A.資機材等の材質に関する試験(H12/2/23:厚生省告示第45号)
    B.水道用資機材-浸出試験方法(JWWA Z108)
    の2種類の試験があります。

    CS-21は、上記Aの試験を第三者機関(千葉県薬剤師検査センター)に依頼して実施し、
    水道施設に適用可能な安全性が確認されています。



Q15.CS-21を、タイルの上から塗布することで下地コンクリートを防水できますか?
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A15.タイル部分には直接浸透しないため、下地コンクリートの防水の場合は
    タイル撤去後にCS-21を塗布し張替えする事になります。

    タイル面の防水の場合、モルタル目地部を緻密化して防水効果を向上させる目的で塗布した事例があります。

    但しタイルによっては、CS-21が付着すると白華する場合がありますので
    事前に目立たない部分で少量試して頂くことを推奨しています。



Q16.CS-21を塗布した箇所は、経年後に補修・補強を行う場合、材料や工法が限定されますか?
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A16.コンクリートに適用可能な材料・工法であれば限定されません。

    土木学会発刊の「コンクリートライブラリー137 けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案)」
    7章 維持管理 7.4 対策の解説(p76) には、以下の記載があります。

    「けい酸塩系表面含浸工法が適用されたコンクリートに新たな対策を講じる場合には、
    はっ水基やポリマーエマルション等を含む副成分複合型の含浸材を使用する場合を除いては、
    通常のコンクリートと同様と考えて、対策方法を選定してよい。」

    CS-21は、はっ水基やポリマーエマルション等を含まないため、塗布箇所は通常のコンクリート面と
    同様と考えられます。
    そのため、CS-21再塗布の他、コンクリート用補修・補強工法を適用することが可能です。



Q17.海の近くで満潮時には海水に浸かる部分に施工できますか?
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A17.潮干帯に位置するコンクリート構造物では、干潮の時間にあわせて施工を行います。
    河口付近の橋梁(橋台・橋脚)表面保護やひび割れ補修などの実績があります。

    施工事例に、施工物件を掲載していますので御覧下さい。

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