▼工法

  ・技術提案

公共工事においてNETIS登録技術を活用した場合、下記のような利点があります。

 ○入札時・契約時:総合評価方式での提案で加点の対象となる。
 ○施工時    :コストの縮減、工期短縮が期待される。
 ○完成時・完成後:工事成績評定において加点される。

そこで、CS-21工法によるコンクリートの長寿命化を目指す場合の技術提案書の例として、以下の目的別技術提案書のサンプルをご紹介致します。

 →新設構造物の表面保護(けい酸塩系表面含浸材CS-21ネオ)

 →既設構造物の表面保護(2液混合型けい酸塩系表面含浸材CS-21ビルダー)

 →打継ぎ部処理(コンクリート改質剤CS-21)

 →打継目処理(コンクリート改質剤CS-21)

 →ひび割れ補修(ひび割れ補修セット)



  ・長寿命化

コンクリートは耐久性の高い材料ですが、構造物の乾燥収縮や自己収縮、水和熱による温度応力、供用開始後の外力、湿潤乾燥、日射などの温度応力の繰り返しによりひび割れが発生します。

コンクリートのひび割れが鉄筋まで到達していた場合、劣化因子である空気や水が侵入し、鋼材腐食の危険性が高まります。 劣化因子である水や空気は、目視では確認できない微細なひび割れであっても容易に侵入してしまいます。

CS-21は、長年にわたるひび割れ補修や躯体防水の実績において効果が確認されています。

 →CS-21によるコンクリート構造物の長寿命化技術


  ・劣化抑制

CS-21は、硬化後のコンクリート表面に塗布することで、ひび割れ深部を含む表層部の空隙を緻密化し、施工後新たに発生する微細なひび割れなどの空隙も充填する性能により、 水や各種劣化因子の侵入を長期にわたり抑制する性能を有しています。

その性能により、新設の予防保全対策や既設の延命化対策として、中性化抑制・塩害抑制・凍害抑制などを目的に、様々なコンクリート構造物(橋梁、ダム、トンネル、基礎など)に適用されます。

CS-21による表面保護の適用範囲については、土木学会発刊の

 コンクリートライブラリー119表面保護工法設計施工指針(案)工種別マニュアル編 pp159〜
  表面含浸工マニュアル 4章 4.3表面含浸工の選定

 コンクリートライブラリー137 けい酸塩系表面含浸工法の設計施工指針(案) pp27〜
  4章 4.4表面含浸工法の選定

をご参照ください。


  ・表面保護

CS-21工法による表面保護は、新設構造物の予防保全対策および既設構造物の長寿命化対策として、中性化抑制・塩害抑制・凍害抑制などを目的に、様々な構造物に適用されます。

コンクリートの品質・耐久性を向上させて劣化を抑制し、施工後のメンテナンスを最小限に留め、ライフサイクルコストを低減して、構造物を延命化させます。

CS-21は、コンクリートの材齢を問わず効果を発揮し、下地コンクリートの乾湿による適用条件の影響を受け難いため、施工性に優れています。 また、塗布後の外観変化がないため、施工後も躯体を直接目視点検可能であり、 経年後に補修補強が必要となった場合にも対策工法が限定されず、再塗布による表面保護も可能などメリットの多い工法です。

 →表面保護


  ・躯体防水

CS-21工法によるコンクリート構造物の防水は、従来のメンブレン防水のようにコンクリート表面に膜(遮水層)を形成するものではなく、無機質の無色透明な水溶液を硬化したコンクリートに塗布含浸させ、コンクリート躯体そのものを防水体とする躯体防水です。

けい酸塩系防水材は材料および工法により性能が大きく異なるため、防水材として使用可能な材料および工法を規格化された試験方法により確認し選択する必要があります。


@十分な固形分量を確保していること
空隙を埋めるためには単位面積あたりの固形分量を確認することが重要で、希釈率および設計塗布量と乾燥固形分率により求めます。
乾燥固形分率を試験により確認することが必要です。

 →CS-21の乾燥固形分率: 31.9%(JSCE-K572-6.2)
  設計塗布量200g/u中の乾燥固形分量:63g/u
  設計塗布量300g/u中の乾燥固形分量:95g/u

A再反応性を有していること
施工後新たに発生する空隙も継続的に埋めるためには再反応する材料を選定する事が重要となり、乾燥固化後再溶解試験および再反応試験により確認することが必要です。

 →乾燥固化したCS-21は、可溶性および潮解性を示し、再反応性を有しています。

B中性化したコンクリートにも反応する性能を有していること
コンクリートの水酸化カルシウムは空気と触れると速やかに中性化します。空隙やひび割れ内面も中性化が進むため中性化したコンクリートと反応する材料を選定することが重要となり、中性化したセメントペーストと材料の反応試験により確認することが必要です。

 →中性化していないコンクリートに比べ、
  緩やかではあるが中性化したコンクリートとの反応性が確認されています。

C微細ひび割れの水密性を確保できること
けい酸塩系防水材は微細ひび割れを埋める事によりコンクリート本来の水密性を確保することを目的としています。0.2o未満の貫通ひび割れを作成した試験体を使用した、ひび割れの透水抑止性試験等により性能を確認することが必要です。

 →幅0.1mmの貫通ひび割れを有する試験体による試験により、
  ひび割れ部の止水効果およびひび割れ部の透気量の減少効果などが確認されています。

D材料特性を熟知した技術者による施工体制が整っていること
防水の品質を確保する為にはコンクリートに関する知識と、材料特性を熟知しコンクリートの空隙に固形分を多く浸透させ反応に適した条件を整えるための知識と技が必要となります。施工体制や施工計画書、および作業責任者の実績等を確認することが必要です。

 →協会組織による責任施工体制をとっており、技術者育成制度が整備されています。
  施工実績が多く、施工管理技術者の実務経験が豊富です。

 →躯体防水


  ・ひび割れ補修

 ○CS-21塗布ひび割れ補修工法

CS-21塗布によるひび割れ補修は、注入工法までの必要がないと判断された幅0.2mm程度以下のひび割れに対し、CS-21をひび割れ部に染み込ませることにより、表層部を緻密化して水および各種劣化因子の侵入を抑制し、 ひび割れ部の耐久性を向上させる工法です。


 ○ひび割れ補修セット(【旧】NETIS登録番号:CG-110003-VE 活用促進技術)

ひび割れ補修セットによるひび割れ補修は、注入工法までの必要がないと判断された幅0.2mm程度以下のひび割れに対し、CS-21クリアーをひび割れ部に染み込ませることにより、表層部を緻密化して 水および各種劣化因子の侵入を抑制し、色合わせ可能な3色のCSパテを単独または混ぜ合わせてすり込むことにより、目立たなくして、ひび割れ部の耐久性を向上させると共に美観を回復させる工法です。

 →ひび割れ補修


  ・漏水補修、止水


 ○CS-21注入工法

CS-21の注入工法は、施工目的・条件に応じた注入方法によりCS-21を注入することで、従来の注入材では充填し難い50μm以下の微細な空隙にも浸透し、反応物による充填効果を発揮します。 また、微粒子セメントと併用した場合には、ドライアウトを防ぎ、硬化収縮により発生する空隙を反応物により補完し、漏水および劣化因子の侵入を抑制する工法です。


 ○充填工法

コンクリートのジャンカ部やコールドジョイントなどで空隙が大きく範囲が広い場合、脆弱部分をハツリ取りセメント系材料で断面修復する場合、付着界面が漏水原因となりやすくなります。 付着界面にCS-21を塗布することにより、付着力の向上や水密性を高めることができます。

一時的に導水パイプなどで水を逃がし、断面修復材の強度が発生するまで水圧や界面に水が回らないよう処置することが秘訣です。導水箇所は充填材の強度が発生した後、注入または止水セメントの充填にて止水します。

 →止水


  ・打継ぎ

コンクリートを打ち継ぐ際に、すでに打ち込まれたコンクリート表面にCS-21を塗布することで、目視では発見し難い微細なひび割れ等の空隙を含む表層部を緻密化させ、 打継ぎ目からの漏水を防止〔水および劣化因子の侵入を抑制〕し、品質の向上を図ります。

CS-21による打継ぎ部処理は、すでに打ち込まれたコンクリートの表層部を緻密化することにより、後から打ち継ぐコンクリートの付着力が有効に発揮されます。

CS-21を鉄筋に塗布し引き抜き試験(JSCE-G 503)を行った結果、鉄筋とコンクリートの付着を阻害しないことが確認されています。

 →打継ぎ


  ・断面修復

CS-21工法による断面修復は、ハツリ箇所、摩耗・洗掘部などの下地に、CS-21クリアーを散布することにより、緻密化し、修復材の付着力を有効に発揮させます。 また、修復後の表面にCS-21クリアーを散布することで、修復材の乾燥を防ぐ養生効果および表層部の緻密化による表面保護効果を発揮します。

※水路補修(CSモルタル工法)については、水路補修改修工法研究会サイトをご覧ください。

 →水路補修改修工法研究会


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